■関西私大教連

声 明

2026年5月15日

大阪大学非常勤講師雇止め事件原告一同
大阪大学非常勤講師雇止め事件弁護団
大阪大学非常勤講師雇止め争議原告を支える会

1 本日、大阪高等裁判所第10民事部(裁判長大島雅弘裁判官、竹添明夫裁判官、姥迫浩司裁判官)は、国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」という。)の非常勤講師らについて、大阪大学が行った雇止めが無効であるとして、非常勤講師らの地位確認を認めて大阪大学に(総額1500万円余りの)賃金の支払いを命じる判決を言い渡した。

2 大阪大学の非常勤講師として5年以上勤務していた原告らは労働契約法18条1項に基づき無期転換権を行使した。これに対して、大阪大学は、非常勤講師らとの間の契約は委嘱契約(準委任契約)であり労働契約ではなかったとして無期転換権の発生を認めようとせず、2023年3月末で、勤続10年以上の非常勤講師約100名全員について雇止めを行った。このうち4名の非常勤講師が大阪大学による雇止めは無効であると主張して提訴した。

一審の大阪地裁は、2025年1月30日、大阪大学と非常勤講師との契約は労働契約ではない(非常勤講師は労働者ではない)として、無期転換権を認めなかった。

3 これに対し、大阪高裁は、非常勤講師はシラバスに基づく授業を実施するという点や成績評価において大学の指揮監督下にあるものと認められるとして非常勤講師らが2022年3月以前から労働者であると判断して、無期転換権の発生を認めた。
そして、大阪大学が行った雇止めについて客観的合理的理由がないとして、無効であると判示し、非常勤講師らの地位確認を認めて賃金支払いを命じた。

4 本判決は、本年1月15日の東京海洋大学事件東京高裁判決に続いて、非常勤講師の就労実態を踏まえて、労働者であることを認めたものであり、大阪大学の無期転換逃れを許さなかった点は当然のこととはいえ評価できる。

5 非常勤講師らに何ら落ち度がないにもかかわらず、ただ大阪大学が無期転換を逃れるために、職を奪われ声をあげることすらできなかった多くの非常勤講師の仲間のためにも、大阪大学に対し、本判決を受け入れ、すみやかに原告らを職場復帰させるよう求める。また、すべての大学において、非常勤講師が当たり前の権利である労働契約法18条1項の5年の無期転換権を行使できるよう環境を整え、非常勤講師の雇用の安定が図られるよう呼びかけるものである。

以上