NHK関西(03月18日)

6年前、近畿大学の男子学生がサークルの集まりで酒の一気飲みを繰り返したあと、死亡したことについて、学生の両親が当時一緒にいた18人の学生と近畿大学に対して賠償を求めた裁判で、大学が再発防止策を徹底することを約束し、大学との間で和解が成立しました。

6年前、近畿大学の2年生だった登森勇斗さん(当時20)は、テニスサークルの集まりで、ウォッカなどを一気飲みしたあと、意識を失い、翌日、死亡しました。
登森さんの両親は、飲み会に参加するなどした18人が適切な救護を怠り、近畿大学も指導が徹底していなかったとして、あわせて1億円余りの賠償を求める訴えを大阪地方裁判所に起こしました。
父親と大学によりますと、17日、大学との間で、大学が学生に対する飲酒事故の啓発活動や近隣の飲食店に啓発のチラシを配るという再発防止の取り組みを徹底することを約束し、和解が成立しました。
これを受けて大学は、ホームページに登森さんの飲酒事故の内容や弔意に加えて、「再発防止に努めるとともに引き続きアルコールハラスメントの防止や学生の意識改革に取り組んでまいります」とするコメントを掲載しました。
大学は、和解とは別に、両親に対して弔慰金100万円を支払うことにしています。
登森さんの父親は「大学には再発防止に全力を尽くしてほしい。新型コロナが落ち着き、これから飲み会が増えると思うので、飲酒事故が起きないよう、より気をつけてもらいたい」と話していました。
一方、当時一緒にいた18人への訴えについては、判決が今月31日に言い渡される予定です。