北國新聞社(3/18)

金沢工大の研究所で昨年9月、耐震実験用の土壁が倒れて男性教授(65)と女子学生2人が重傷を負った事故で、金沢労働基準監督署は17日、無資格でクレーンを運転したとして、労働安全衛生法違反の疑いで、教授と法人としての大学を金沢地検に書類送致した。

書類送検容疑は昨年9月20日午後、白山市八束穂(やつかほ)2丁目の大学実験室で、教授が資格を持たず、必要な教育を受けていないのに、クレーンで土壁をつり上げる作業をした疑い。大学は教授に安全のための教育をしなかった疑いがある。

金沢工大などによると、当時、教授らは高さ3メートル弱、幅2メートル弱の土壁(1枚約400キロ)を9枚立てて並べていた。教授がクレーンで1枚を運ぼうとした際、8枚がドミノ倒しになり、3人が下敷きになって頭や足を挟まれるなどした。

金沢工大は「書類送検の事実を確認できていないのでコメントできない」としている。