■朝日新聞デジタル(4/12)

東京大の入学式が12日、日本武道館(東京都千代田区)で開かれた。約3100人の新入生が出席したほか、4年ぶりに新入生の家族も参加した。

藤井輝夫総長は式辞で、対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」について言及。米ノースイースタン大学長の著書「ROBOT-PROOF:AI時代の大学教育」を引用し、「AIやロボット技術の進化した時代の大学教育では、創造性を育む基盤として経験学習が重要である」と述べた。

また、ジェンダーや多様性についても触れた。集団の構成員の多様性だけでなく、個人の内面の多様性も重要だと指摘し、「多様な考えや価値観に触れるなかで、新たな自分に気がつくこともイノベーションであり、みなさんには、そうした気づきを学生時代にたくさん実感してほしい」とエールを送った。

卒業生で、官民でつくるグローバルファンドで保健システム・パンデミック対策部長をつとめる馬渕俊介さんが祝辞を述べた。

馬渕さんは、2014年に西アフリカでエボラ出血熱が大流行した際、世界銀行の対策チームリーダーとして、文化人類学者や感染症対策の専門家などと協力して感染拡大防止にあたった経験がある。「一つの分野で世界のナンバーワンになることは、とても難しい。ただ、いくつかの分野の経験やスキルを、ユニークな組み合わせとして持ち、それらをかけ算して問題解決に使えるのは自分だけ、という『オンリーワン』にはなることができる」と話した。