朝日新聞デジタル(3/18)

金沢大学が3月末に廃寮とする方針を定めている学生寮をめぐり、大学が31日午後5時に寮の電気・ガス・水道の供給を停止すると、退寮に従わない学生に通知したことがわかった。この問題は10日に国会で取り上げられ、文部科学省が金沢大に「丁寧な対応を」と求めたばかり。大学は応じる姿勢を示していない。

寮は男子寮の「泉学(せんがく)寮」(金沢市野町5丁目、1965年築)と女子寮の「白梅(はくばい)寮」(同市泉野町2丁目、64年築)。寮生によると、通知はメールで15日に森本章治副学長(教育担当)名であったという。

これまでに5回の通知を出したことに触れ、31日午後5時までの退去や部屋の鍵の引き渡しなどを求めている。その最後に、同時刻に「電気・ガス・水道の供給を停止する」とあった。

寮生の冨樫洋乃輔さん(22)は「追い出されて、路上に行く寮生が出る可能性だってある。安心して住める住居がなくなる可能性がある」と危機を訴える。

寮生は「せめて現在の寮生が卒業するまで延期を」と求めているが、大学側は「2019年に決定したこと」として応じていない。

特に寮生が一貫して求めてきたのは議論の場だ。昨年2、3月に寮の代表者と大学側が面談をしたが、代表者以外の出席や発言が認められず、寮生側で情報共有や意見集約が十分にできなかった。このため寮生は、開かれた場での議論や説明を求めてきたが、大学は「十分に実施した」としている。

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