道新(2023年3月23日)

文部科学省の国立大学法人評価委員会は23日、国立大学と大学共同利用機関が立てた第3期中期目標・計画(2016~21年度)の業務実績評価を公表した。ガバナンス体制や内部統制に課題があったとして、前学長が辞任した旭川医科大と前学長が解任された北大に対し、業務運営面で「重大な改善事項がある」と最低評価を付けた。最低評価は全89法人で両大学のみ。
旭医大の前学長を巡っては、同大の学長選考会議がパワーハラスメントなどの不適切行為を問題視。22年3月に前学長が辞任するまで「長期にわたり職務を執行できない状況だった」と指摘した。新型コロナウイルスの患者受け入れを巡り、前学長と病院長が対立した問題については「地域社会に多大な不安を与えた」とした。
北大の前学長については、同大の学長選考会議が職員に対する叱責(しっせき)や大学の信用失墜行為などの不適切行為があったと主張。同会議の申し出を受けて文科相は20年6月に解任しており、「学長のマネジメントに対する不信を招いた」「大学の社会的信頼を著しく傷つけた」と指摘した。
文科省は両大学について「現在は新学長のもと改善に向けて取り組んでいる」としている。04年に法人化された国立大は6年間ごとの中期目標に基づき、中期計画を策定することが義務づけられている。22年度からは第4期に入っている。