石川テレビ(3/27)

金沢大学の2つの学生寮が3月末に廃止されます。これを巡り、経済的に困窮する学生への対応が不十分だと金沢大学の教授たちが和田学長に緊急要請を行いました。

27日開かれた金沢大学の教授たちによる会見。

碇山教授:
「31日に廃寮ということになると彼らは行き場を失ってしまう。極端に言えば路上生活、野宿せざるを得ない状況」

金沢大学は2019年、築60年近くになる2つの学生寮を老朽化などを理由に2023年3月に廃止すると発表しました。

しかし、廃止される泉学寮では、まだ8人の学生が経済的な理由から次の転居先が決まっていません。泉学寮の寮費は月額700円で、そのほかの諸経費8000円とあわせ月1万円ほどで生活できたためです。

そこで教授たちは引っ越し費用の貸与や退去期限を半年ほど延長すること、県営住宅への受け入れ要請など5点を大学に要望しました。

今も泉学寮に住む冨樫洋乃輔さんです。これまで大学側は学生側の意見を十分聞いてくれていないと不満を募らせています。

冨樫さん:
「前回の会議では、我々がしゃべった瞬間に公式の会議が打ち切られてしまった。今回は誰でもしゃべっていい形になっている。私の伝えたいことが金沢大学の経営陣の方に伝わればなと」

金沢大学は27日、学生向けに説明会を開きました。時間は30分ほどです。その結果は…。

富樫さん:
「向こうのご厚意で、質問時間を引き延ばしていただく形になり質問したいことは一通り質問できたが答えになっていないところもあった」

大学側が手渡したのは角間キャンパスにあるシェアハウス型の学生寮に入居する書類。しかし、ここの家賃は月3万円以上かかり、冨樫さんにとって金銭的な負担は大きいといいます。

金沢大学は緊急措置として、非常勤講師の宿舎を3月31日から1週間無償で貸し出し、学生に次の転居先を決めるよう促しています。