毎日新聞(3/28)

金沢大(金沢市角間町)の学生寮2カ所が3月末で廃止される問題に関連し、同大の教員有志が27日、和田隆志学長に緊急要請書を提出した。記者会見した教員らは、大学の廃寮の進め方に疑問を示し、「経済的に困窮する学生に冷淡な大学であると評価され、優秀な受験生が金沢大を忌避する事態につながる」などと憂慮。期限の31日で寮を閉鎖せず、寮生の転居が完了するまで入居継続を許可することなどを求めた。

要請書は、寮生から窮状を聞いた碇山洋教授らが22日から周りの教員らに声を掛け、3日間で計30人の賛同者が集まった。「今からでも廃寮を取りやめてほしい」とした上で、方針転換が無理な場合は、大学が寮生に通告した、31日での寮の閉鎖▽ライフライン(電気・ガス・水道)の停止▽残された私有物の「没収」――などをやめるよう求めた。期限までに退去しなかった寮生に対し、懲戒処分をほのめかしていることにも強く抗議した。

また、教員らは要請書と一緒に意見表明書も提出。「(懲戒処分やライフラインの停止などの)脅迫は権力を行使するものとして最悪の措置。ロシア・プーチン(大統領)を想起させる」「声を上げた寮生を『ならず者』扱いしないでほしい」との意見もあった。

一方、大学は同日、寮生向けの説明会を開催。関係者によると、31日で寮を閉鎖する考えを改めて強調し、同日午後5時以降に水道や電気を停止することなどを説明した。