MRO北陸放送(3/31)

半世紀以上の歴史を持つ金沢大学の学生寮が、31日廃止されましたが、このうち男子寮の「泉学寮(せんがくりょう)」の退去期限について、金沢大学は1週間延期する方針を示しました。学生たちの要望に応えた形ですが、大学側は期限内の退去を求めています。

金沢大学の男子寮「泉学寮(せんがくりょう)」と女子寮の「白梅寮(はくばいりょう)」は、50年以上が経ち、老朽化などを理由にきょう廃寮することが決まっていました。このうち、泉学寮については一部の学生が引っ越し費用を工面できないなどとして、退去期限を1週間延期するよう要望していました。

MRO北陸放送 石橋弘崇アナウンサー
「廃止30分前になり、寮内では確約書の提出を求めるアナウンスが流れました」

学生らの要望を受け、金沢大学は期限を来月7日午後5時に1週間延期する一方で、31日午後5時までに期限内に退去する確約書の提出を学生に求めました。

確約書を出した学生
「どうしても落としどころは見つけるべきであって、それが今日なのかなと」
退去する学生
「大学とこちら側の両方の言い分が言い合えなかったので、そこが心残りかなと」

これまで学生側は経済的な理由などから泉学寮のような学生自治による安価な寮や経済的支援を求め話し合いの場を求めています。

学生代表・冨樫洋乃輔さん
「学生寮が無くなってしまった後の金沢大学の学生支援の在り方というのも様々な意見や要望書を提出していくつもりなので、それに真摯に大学は答えていってほしいと思います」

一方、金沢大学は「これからも奨学金制度や学費の減免などの経済的支援も行い学生生活を支援していきます」というコメントを出しているほか、転居が間に合わない学生に対し、非常勤講師などが利用している大学敷地内のゲストハウスを1週間無償で提供する案を示しています。

石橋弘崇アナウンサー
「寮の廃止をめぐる現場の対応について学生と大学側がもめる場面もありましたが、午後5時半現在で、目立った混乱は見られませんでした。金沢大学によりますと退去の確約書を提出したのは17人で、このうち一部の学生らは今後、シェアハウスを借りて、共同生活を始めるということです。学生寮はきょうで廃止となりましたが、経済的に困窮する学生に学びの機会をどう維持するのか。今一度、考える必要があります。」