宇部日報(4/4)

国公私立の垣根越え教員派遣や単位認定

山口大、県立大、山口学芸大は3日、3大学でつくるやまぐち共創大学コンソーシアム(代表理事・谷澤幸生山口大学長)が、文部科学省から国公私立の垣根を越えて教員の相互派遣や単位の認定ができる「大学等連携推進法人」の認定を受けたと発表した。デジタル技術を地域課題の解決に生かす文系DX(デジタルトランスフォーメーション)人材の育成を目指す。同日、3大学の学長らが山口大で会見し、抱負などを語った。

文科省によると、同法人には4月現在、山梨大と同県立大など3件が認定されており、国公立大と私立大で構成される組織が受けるのは全国初だという。認定は3月24日付。

県立大や学芸大の文系学生が山口大の理系の講義を受講できるようにするなどし、文理融合型の横断的な教育を採り入れ、地域をけん引する人材を育てることが狙い。3大学の取り組みは昨年8月、文科省の「地域活性化人材育成事業─SPARC(スパーク)」にも採択された。今年度からは3大学が連携し「SPARC教育プログラム」として試行的に進めていく。

同プログラムを本格始動させるため、山口大は2025年度に学部と同じ位置付けの「ひと・まち共創学環(仮称)」を新設し、県立大は国際文化学部を再編する。山口学芸大は26年度に科学、技術などを横断的に学び、社会的な課題の解決に寄与する「STEAM人材育成コース(仮称)」を設置する。

会見には山口大の谷澤学長と松野浩嗣副学長、県立大の岡正朗理事長と田中マキ子学長、山口学芸大の二木寛夫理事長と三池秀敏学長が出席。谷澤学長は「しっかりと連携し地域に役立つ人材を育て、輩出していきたい」と意気込みを見せた。田中学長は「女性の県内定着につながる教育に力を入れたい」、三池学長も「DXに貢献できる教員を育成する」と話した。