NHK広島(03月15日)

アメリカで原爆の悲惨さを伝えるシンポジウムを開いたアメリカの大学の関係者らが広島市を訪れ、原爆資料館を視察しました。

広島市を訪れたのは、アメリカのアイダホ大学の副学長など関係者4人で、この大学では去年9月、「ヒロシマを忘れない」というタイトルで原爆の悲惨さを伝えるシンポジウムが開かれました。
14日は原爆資料館を訪れ、アメリカでのシンポジウムに参加した被爆者の小倉桂子さんと一緒に視察しました。
資料館の中では、小倉さんが展示されている写真やジオラマを使いながら被爆当時の状況やみずからの体験を伝えていました。
また大学の副学長らは原爆が投下された直後の広島の街の様子を写した写真や、原爆で亡くなった中学生の弁当箱の遺品などを真剣なまなざしで見入っていました。
その後、副学長らは原爆慰霊碑に献花し、祈りをささげました。
被爆者の小倉桂子さんは、「広島を忘れずに訪れてくれて大変うれしい。広島の持つ力がアメリカに限らず、世界に届いてほしい」と話していました。
アイダホ大学のショーン・クインラン文学芸術社会科学学長は、「原爆がもたらした大惨事に心が揺さぶられた。歴史や人々の記憶を受け継ぐことが今の緊迫した世界情勢において大切だ」と話していました。