道新(2026年4月13日)

  学校法人野又学園(函館)が函館短期大(同)の学生募集を2027年度から停止すると発表したことを受け、卒業生を採用してきた企業や同短大を志望する高校生らに戸惑いが広がっている。
函館短期大は食物栄養学科と保育学科の2学科体制で、定員は各50人。少子化などの影響で入学者が減少し、今春の入学者は食物栄養学科が前年度比13人減の32人、保育学科が同13人減の34人といずれも定員を下回った。
食物栄養学科は道南で唯一、栄養士の資格を取得できる教育機関。市内に栄養士として就職する卒業生は毎年30人近くにのぼり、募集停止による人手不足が懸念される。
函館協会病院や国立病院機構函館医療センターなどに栄養士を派遣するLEOC(レオック、東京)は本年度、同短大卒の5人を採用。道南の調理現場に派遣する栄養士の大半が同短大出身という。同社北海道第五事業本部の尾関恵本部長は「函館短大出身者は地元志向が強く、地域に密着して働いてくれる貴重な存在。突然の発表で困惑しており、今後の採用をどうするかはまだ想像がつかない」と話す。北海道栄養士会函館支部の木幡恵子支部長は「病院や福祉施設で栄養士の人手不足が続く道南にとって、かなりの痛手。何とか残せないか」と危機感をあらわにする。
野又学園は10日に募集停止を発表した際、同じ私学短大の栄養士、保育士の養成課程を公立化した旭川市などを例に「(公立化は)有力な選択肢」とした上で、校舎の譲渡などに応じる方針も示した。これに対し、函館市の大泉潤市長は13日、北海道新聞の取材に「募集停止は非常に残念」とした上で、公立化については保育士の養成機関が市内でほかにあることや、厳しい財政状況を挙げ「われわれが受け皿となり進めるのは難しい」との認識を示した。
同短大への進学を希望していた地元の高校生らにも動揺は広がった。幼稚園教諭を志望する市内の私立高2年の女子生徒(16)は「函短しか視野に入れていなかったのでショック。募集停止を始める時期をもう少し延ばしてほしい」と切実さをにじませた。
遺愛女子高(函館)は本年度、同短大の2学科に計7人が進学。現在の3年生にも同程度の志望者がいるという。井上記一教頭は「栄養士を志望する生徒については今後、札幌の四年制大学や青森の短大への進学、あるいは進路の方向転換も視野に入れて対応を考える」と話している。