長野県上田市の長野大学で会計の不正を調査した教授が、大学から不当な懲戒処分を受けたとして、損害賠償を求める裁判を起こしました。

訴えを起こしたのは、長野大学付属図書館の館長を務める田中法博(たなか・のりひろ)教授です。

大学では2019年から2020年にかけて、教員が研究費用を目的以外に使っている疑惑が明らかになり、当時、企画情報学部の学部長を務めていた田中教授が調査を行いました。

調査の過程では、大学の教職員などが未成年の学生と飲酒をしている写真を見つけるなどしたため、学長に危機管理委員会を開くように複数回にわたって働きかけたということです。

大学側は「調査は不要であり、度重なる要求は不適切だ」として、2022年10月、田中教授に減給10%・3か月の処分を下しました。

田中教授は「処分は不当で合理性に欠ける」として、減額した分の給料5万2,000円余りと50万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。

長野大学は、「訴状を確認していないので現時点ではコメントできないが、適切に対応していきたい」としています。