NHK(02月09日)

龍谷大学の経営学部で、教員不足などからゼミに入れない学生が相次いでいるとして、この大学の名誉教授が改善を求めて大学側を訴えた裁判で、京都地方裁判所は「大学側の対応が違法であるとは認められない」などとして訴えを退けました。

龍谷大学の李洙任 名誉教授は、経営学部では教員不足などでゼミに入ることができない学生が相次いだため、自分もゼミを担当できるよう大学に要望しましたが、認められなかったなどとして、大学側におよそ160万円の損害賠償を求めていました。
これまでの裁判で、李名誉教授は、要望に対して当時の教務主任が適正な審議を行おうとしなかったなどと主張しました。
9日の判決で、京都地方裁判所の池田知子 裁判長は「当時の教務主任の説明は不正確だったことは否めない」などと主張の一部を認めました。
一方で、経営学部のゼミの担当者の選定については「教授会の裁量的判断によって行われるもので、大学側による裁量権の逸脱や濫用(らんよう)があるとは言えず、違法とは認められない」などとして訴えを退けました。
裁判のあと、李名誉教授は記者会見し、「厳しい裁判になることは想定していたが、学生の学習する権利のためにも控訴について今後、検討したい」と述べました。