朝日新聞(2023年3月10日)

労働者福祉中央協議会(東京都千代田区)は8日、貸与型奨学金を返済中の人を対象にした調査結果を公表した。4割弱の人が「結婚に影響している」と答え、3割強が「出産」「子育て」「持ち家取得」に影響があると回答した。同協議会は、人生や生活設計に影響が大きいとして改善を求めている。

調査は昨年9月、インターネット経由で行った。このうち、日本学生支援機構の貸与型奨学金を返している45歳までの男女2200人の回答を分析した。20代後半~30代前半が多かったという。返済猶予中や滞納中の人も含む。最終学歴は私立大卒が約43%、国立大卒が約14%、専門学校卒が約19%で、配偶者のいる人は約40%、子どもがいる人は約25%だった。

奨学金返済による生活設計への影響として「結婚」と答えたのは約38%、「持ち家取得」が約33%、「子育て」が約32%、「出産」が約31%だった。南部美智代事務局長は「(返済が理由で)結婚できなかった、持ち家を持てなかったということ」と話す。

このほか、「貯蓄」は約66%、「日常的な食事」は約42%、「医療機関の受診」は約34%が「影響を受けた」とした。