日本私立大学協会
∟●中央教育審議会教育振興基本計画部会『次期教育振興基本計画の策定に向けたこれまでの審議経過について(報告)』に対する意見(令和5年1月20日)

中央教育審議会 教育振興基本計画部会
『次期教育振興基本計画の策定に向けたこれまでの審議経過について(報告)』に対する意見

日本私立大学協会
令和5年1月20日

教育振興基本計画は、平成 20 年の第1期計画策定以降、高等教育分野においては、大学教育の質的転換を促進し、学生の経済的支援策である修学支援新制度を設けるなど、教育基本法に基づく我が国の教育振興のための中長期的な総合的計画の機能を担ってきた。この度の「次期教育振興基本計画の策定に向けたこれまでの審議経過について(報告)」(以下、審議経過)については、そのとりまとめに当たられた中央教育審議会教育振興基本計画部会のご努力を多とする。
その上で、私立大学の視点から下記の諸点について意見を申し上げるが、審議経過全体を貫いては、なお次の点に対する配慮が必要と考えるので、冒頭に指摘しておきたい。

〇ウェルビーイングに代表されるように、その内容や趣旨については理解できるものの、まだ日本社会に定着したとは言い難い外来語の使用については抑制的であることが望ましい。
〇高等教育関連では、成長分野のほか、イノベーション人材やデジタル人材の育成など理工分野に傾斜した感が否めない。その重要性は理解するものの、教育振興基本計画が我が国の中長期的な総合的計画という性格を鑑みれば、先行き不透明な未来を見据え、まずはこうした重点措置の前提として、各学問分野の調和ある発展とそのための基盤的な支援策とが明記されるべきと考える。「選択と集中」により我が国の研究力は低下したと言われるが、教育において同様の事態を招くことがあってはならない。

以下,略……。