産経(2023/1/31)

理工系を増額 令和5年度から私大助成金 成長分野後押し

日本私立学校振興・共済事業団は31日までに、令和5年度から理工系学部のある私立大への私学助成金を増額するために算定基準を改正する方針を決めた。文系向けは据え置く。デジタルや脱炭素といった成長分野の人材育成を重視する政府方針に沿い、理工系学部の新設・拡充につなげたい考え。

改正するのは学生や教員の数に基づく算定基準で、理工系学部に所属する人の単価を文系より高く設定する。現在は高額な設備が必要な「医・歯・獣医学」に限って手厚くしていた。こうした方針は30日の事業団運営審議会で了承された。増額対象の理工系にどういった分野を含めるかなどの詳細は今後詰める。

私学助成金は文部科学省が事業団を通じて間接的に補助する形になっており、5年度当初予算案に2976億円を計上した。理工系の増額分は、定員管理に関する別の配分指標を変更して捻出する。文科省担当者は「文系学部が多い私大への減額にはつながらない」と説明している。

政府は、大学全体で理工系を専攻する学生の割合を5割程度に引き上げるとの目標を掲げ、約3千億円の基金で公私立大の学部再編の支援も進めている。